このレッスンでは、配色の基本について学んでいきます。
配色とは、2色以上の色を組み合わせることです。
調和感のある配色は、いったいどのように生み出されるのでしょうか。

配色の基本とテクニックを知り、「なぜその色と色を組み合わせるのか?」
ということを理論的に理解し、説明できるようにしましょう。
この知識はさまざまな色を組み合わせるときに参考になりますし、
コーディネートに磨きをかけることもできますので、
しっかり理解するようにしましょう。
セパレーション
セパレーションは「分離」という意味です。
組み合わせた色の対比が強い場合や、あいまいで調和していないときに、
色の境界部分に別の色を入れて分離させることで、
対比をやわらげたり、逆にあいまいな印象を引き締めたりすることもできます。
例えば服を選んでベルトを付ける場合、
ベルトはトップスとボトムスの色を分離させる効果があり、
さらにアクセントにもなります。
境界部分に入れる色は、2色の明度と同じ明度にせず、
明度差を大きく取るのがコツです。
色相が全く異なる2色の場合は、無彩色を使ったほうがまとまります。
↓2色の境界に無彩色(白)入れた配色例

レピテーション
レピテーションは「繰り返し」という意味です。
2色以上を配色するとき、それを繰り返して構成をすることで、
全体に統一感を持たせる配色方法です。
組み合わせた色同士は統一感がなくても、
繰り返すことで統一感があるように見える視覚効果を利用しています。
レピテーションでデザインされた服を着るとき、
色の一つを靴やバッグ、アクセサリーなどで使うとまとまりのあるコーディネートができます。
とても便利なテクニックですので、
コーディネートに迷ったときに取り入れると良いでしょう。
↓複数の色を組み合わせても、繰り返すことで全体に統一感が生まれている

グラデーション
グラデーションは、
複数の色を段階的に変化させて順序よく配色させる方法をです。
グラデーションを取り入れると、
コーディネートの配色に変化を持たせつつも、
全体的にまとまった印象を与えます。
グラデーションには、
- 色相グラデーション
- 明度グラデーション
- 彩度グラデーション
- トーングラデーション
がありますが、
ここでは色相グラデーションと明度グラデーションを取り上げて解説します。
色相グラデーション
色相を段階的に配色していくグラデーションです。
配色するとき、
色相環の順番を守らないと美しいグラデーションの流れができません。
順番は右回り、左回りのどちらでもかまいません。
虹や夕焼けといった自然の中にも、色相グラデーションを見つけることができます。

明度グラデーション
明るさを段階的に配色していくグラデーションです。
順番は低明度→高明度、高明度→低明度のどちらでもかまいません。
明度が低いほど軽やかな印象を与えます。

アクセントカラー
色の配色に統一感がないときに、
別の色を加えて全体を引きしめるのがアクセントカラーです。
アクセントカラーは、全体の配色に対して「少し」というのが原則です。
また、全体の配色とは異なる性格の色をアクセントカラーとして使いましょう。
例えば、高明度の2色で、変化が乏しい配色にはアクセントカラーとして黒を、
低彩度色の2色で変化が乏しい配色にはアクセントカラーとして高彩度の色を、といった具合です。
もとの配色に対して、アクセントカラーは色相、明度、彩度で差をつけるのがポイントです。
↓明度の高い2色に、アクセントカラーとして低明度の無彩色(黒)を入れる

ビコロール配色/トリコロール配色
ビコロールはイタリア語で「2色の」という意味で、
英語では「バイカラー」とも言います。
トリコロールはフランス語でトリ=3つの、コロール=着色した
という意味。
いずれも色相、明度、彩度の差がはっきりした、明快な配色になり、
国旗にもよく見られる配色です。
例えば日本の国旗は赤・白のビコロール、
イタリアの国旗は緑・白・赤のトリコロールです。

日本の国旗は、高彩度と無彩色で彩度に差がある組み合わせ、
イタリアの国旗は高彩度2色に無彩色の白を入れ、セパレーション効果で明快な配色です。

配色の基本について学びました。
カラーコーディネートをするときに、学んだ配色方法を思い出して
取り入れてみてはいかがでしょうか。
配色の理論を取り入れたコーディネートをすれば、
パーソナルカラーもより大きな効果を生み出すことが期待できます。
次のレッスンでは、「色から受ける心理的効果」について学びましょう。